突然家族が亡くなり、慌ただしい中でなんとか見つけた写真で遺影をつくってしまう、そんな経験はありませんか。
ちゃんと撮影しておけばよかったとか、いい写真があったのにどこにいったかわからない、後になって、もっといい写真があったのに・・・・など、後悔する方も多いようです。
御本人らしい写真で遺したい・・・と誰もが思うものです。
■遺影写真の役割
遺影写真は故人が最後の姿として遺すもので、遺影写真には故人の「思い」が籠もっています。あるいは、お写真を見たご家族が、そこに故人との思い出を投影して見るのかもしれません。
またお通夜やご葬儀などの際、真っ先に目に入るのが遺影写真です。だからこそ、 遺影写真は笑顔で、懐かしい元気な姿で、故人との思い出が蘇る、そんなものであってほしいものです。
■遺影写真の選び方
遺影写真で重要なのは、その人らしさが一番感じられる写真を用意することです。
故人が亡くなってから、遺影写真を急遽つくる場合、葬儀社などにつくってもらうことになります。その場合、過去の写真からいいものを見繕って渡すのですが、この場合の目安として、亡くなる5年〜10前までの写真を使用するのが一般的のようです。あまり前の写真を使ってしまうと違和感がでてしまうからです。
特にお孫さんがいる場合は、あまりに若いころの故人の写真を使うと、お孫さんにとってのおじいちゃん、おばあちゃんのイメージと遠いものになってしまいます。元気だったころの写真の中で、できるだけ最近のものを使うといいでしょう。
ただし、健康状態やご病気などで変わってしまった場合は、みんなが一番良く知っている、お元気だった頃のお写真を選ぶのがいいでしょう。
■遺影写真の準備 使える写真と使えない写真、参考サイズ
遺影に使う写真は、決まった形でないといけないというきまりはありません。スナップ写真でもまったく問題はありません。
今や写真加工の技術は特殊なものでもなんでもなく、ピントが合ってさえすれば、どのような写真でもほぼ遺影写真として使えるものになります。
ただ、少しでもきれいな遺影写真にするためには、下記の条件を参考にしてください。
・顔の大きさが 500 円玉以上であれば理想。(最少1円玉サイズ)
・デジタルデータの場合、200 万画素数以上が理想(サイズは9M 程度)。なければ最低でも1~2M。
・どうしても写真がない場合、使用可能な写真 [集合写真、運転免許証、パスポート、証明写真]
※写真サイズが小さい、ピントがあっていない、多少のキズがある場合などは、修正をするため別料金が かかる場合があります。
■遺影写真を生前撮影する
自分が死んでも、家族が困らないようにしておく。ためには、生きている間に遺影写真も自分で用意しておくのがいいでしょう。最近では終活の一貫として、生前にご自身で撮影される方も増えてきました。
亡くなってから、いくら家族葬など簡単な葬儀であっても、案外にするべきことは多く、遺影写真と言われて慌ててしまうことも少なくありません。
私自身、8年前の父の葬儀の際のこと。几帳面な人で自分が死んだら連絡するべき人や、葬儀の手筈まできちんと整理して書いて遺していました。今で言う“エンディングノート”を自前で完璧に遺した人でした。私と姉はその“父の手順”に従い葬儀の準備をすすめただけに過ぎません。お陰様で順調に準備は進んだものの、その完璧な準備でも“遺影写真”が抜けていました。あるいは近年の写真は子供たち(私達)の方がデータで用意できるだろうと思っていたのかもしれません。
しかし、病院から危篤を聞いてかけつけ、そのまま実家に運び込み通夜、葬儀まで実家に泊まり込みだったため、遺影の準備ができなかったのです。家のパソコンには遺影に使えそうなスナップ写真が入っていることはわかっていましたが、家に帰ることができず、また夫ではその写真を探し出すことができなかったのです。
仕方なく実家にあった、小さな写真を引き伸ばし、バックを加工し、なんともぼやけた写真になってしまいました。それでも葬儀社に頼んで数万円かかったと思います。
葬儀の準備の中で、見落としがちな“遺影写真”だからこそ、元気なうちに撮影しておくことをおすすめします。
遺影写真は、少し前までは、硬い表情の作られた笑顔の写真が主流でした。
しかし、最近では、その人らしさを感じられるような自由な遺影写真が増えています。
趣味に興じたり、大切なものと一緒に写ったりなど、個性に富んだ写真を撮影すればいいのです。
その際にプロに頼むことをおすすめします。費用は多少かかりますが、プロは最もその人らしさを見出し、奇跡の瞬間を撮影してくれるからです。
まだ、動けるうちに御本人の好きな服装で、ご家族に向けた最大の笑顔を遺せればいいですね。
遺影写真撮影サービス
(マクアケ 生前葬)
https://www.makuake.com/project/funerals/
■新しい遺影写真 遺影イラスト
自分らしく遺す・・・は写真だけとは限りません。肖像画や、個性的なものとして最近ではイラストで遺す方法もあります。写真と違う点は、“より本人らしさ”が出ること、部屋に飾っておいてもアートとして親しめること、そして描く際に画家に対して、人生について語ることで、ゆっくりとこれまでの自分と向き合う機会ができることにあります。
ポートレート専門の画家 山本勇気氏の遺影イラストは今の姿と若かりし日の姿を合わせて描きます。
人生の中で一番“旬”だった時期、やる気にあふれ日々戦っていた姿と、年月を重ねゆったりとした、柔和な今の表情を対比して描きます。どちらも同じ人ですが、その2枚の絵に人生が凝縮されています。
そんな現実以上に“らしさ”を表現できる絵もまた、ご家族にとって思い出を共有できる新しい遺影の形ですね。
山本勇気 遺影イラストはこちらから↓
(マクアケ 生前葬)
https://www.makuake.com/project/funerals/
文 松井麻里